東京高等裁判所 昭和29年(う)361号 判決
被告人 田中良一 外
〔抄 録〕
被告人田中良一の弁護人甲の論旨第一点について。
原審が原判決添附の別紙目録記載の包装用菰二十枚を判示犯罪に係る酒類の容器と認め、昭和十五年法律第三十五号の酒税法第六十二条第二項に則り没収していることは、所論のとおりである。然しながら訴訟記録を調査すると、原審が没収した所論指摘の菰は、いずれも被告人田中良一が判示酒類を詰め容れる甕を包装するため用意したものであることは窺い知られるから、右菰は要するに酒類の容器たる甕の従物としてこれと一体をなす状態にあつたものと謂うべく、而して前記酒税法に所謂酒類の容器のうちには、容器の従物たる本件包装用の菰の如きものをも含むものと解することが相当であると思料される。従つて原審がこれと同趣旨に出で、所論指摘の菰を判示犯罪に係る酒類の容器と認め、前記酒税法第六十二条第二項に則り没収したのは、適法な措置と謂うべく、原判決には所論で非難するような法律の解釈を誤り没収すべからざるものを没収した違法の点あるを見ない。論旨は理由がない。